…敵を、取り逃がしてしまったの。
あと一歩のところだったのに。
何とか助けられた、けれど。
――くやしい。
こんなにくやしいのは、初めて。
けれど、次はないの。
次は、仕留める。

打たれた怪我は、大したことないけれど。
無茶をしたから、みんなに叱られてしまったの。
…気を付ける。
悲しませたくないから、もっと、自分を大切にするの。
……なるべく。

友人が遠くへと。
行ってきますの言葉を残して。
彼には、随分お世話になったの。
…碌に、ありがとうも言えなかった。
お別れするなんて、思っていなかったから。
もっと素直に、言葉を尽くしていれば。
後悔しても、遅いのだけれど。

――だから、あなたが帰ってきたら、たくさん怒る。
たくさん、文句を言うから。
それから、それから。
ありがとうを、言いたいの。
…ちゃんと帰ってきて。
あなたの道往きは、きっと明るい。
星灯りを頼りに、何処までも、行けるでしょう？
迷わずに、導き手は、あなたの中にあるから。
あなたが帰ってくるのを待っているの。
いつか、「おかえり」を言うために。


行ってらっしゃい、巡礼の旅へ。

ふらりと昼に、紅茶を買いにおでかけを。
オリジナルの紅茶が多かったのよ。
そのお店だけの紅茶って、少し憧れるの。
…お店でも、置きたいなって思うけれど…。
わたしはあまり、そういうのには向かない、かもしれないの。
その内…。そう、その内に、ね。

あぁでも。
お店にも、随分と商品が増えて、ようやくお店らしくなったかしら。
お庭にもお花を植えて、ようやくからっぽでは、なくなったの。
もうからっぽな楽園では、ないのね。
…からっぽじゃないのなら、何かしら。
でもまだ、満たされない。
満たされなくていい、と思ってしまったり。
まだ先は長いのだもの。
満たしていきたい。

ところで、紅茶を買った時、オリジナルのお紅茶を一杯いただいたのだけれど。
とっても美味しかった。また飲みたい。
…買ったお紅茶の葉は、いつもお世話になっている方たちへの贈り物。
喜んでくださる、かしら。

此処のところ、あまり眠れていなくて。
元々寝つきがいい方ではないのだけれど。
先日はベッドに潜り込んでもなかなか眠れないから、抜け出して屋根によじ登ったの。
夜に星を見ることはあっても、夜明けを見たことはなかったから。
いい機会だからと。
…雨が降った後だったから、お尻が冷たいことになってしまったのは此処だけのお話。
朝焼けが、ピンク色だったの。宝石みたいな色。とっても、きれいだった。
昇る朝日は、オレンジに近い色だったの。
金色が見られるかと思っていたのだけれど。
でも、朝焼けがきれいだったから、満足。

結局、全然眠れずに起きていたの。
お昼になってからようやく眠くなってきて、うとうと。
寝て起きての繰り返しで、あまり眠った気はしなかったのよ。
夢を、何度も見たの。内容は、あんまり覚えていないけれど。
かなしいような、うれしいような。
もしかしたら、夢ではなかったのかも。
望んでいたことが、ぐるりと頭の中を巡っていただけ、なのかしら。
…叶うと、いいの。